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何故、騙されてしまうのか?巧みな振り込め詐欺に学ぶ防犯対策

ようやく認知度が高まってきた「振り込め詐欺」。銀行の窓口やATMの近くにも「もしかして、振り込め詐欺ではありませんか?」という警告を促すポスターが貼ってありますよね。振り込め詐欺の手口には新しいタイプが次々と誕生しているため、振り込め詐欺の被害に遭う人を未だ撲滅できていません。もしかしたら今この記事を読んでいる貴方にも、突然振り込め詐欺の電話がかかってくるかもしれませんよね。振り込め詐欺について詳しく特集しましたので、いざという時に騙されないようにしましょう!

まず、振り込め詐欺の最も典型的なパターンからおさらいです。突然あなたに電話がかかってきて、「もしもし、俺だけど。実は俺…会社のお金を使いこんじゃったんだ。どうしよう…500万円なんだけど。俺だけじゃ用意できない。…助けて!」と息子がトラブルに遭ったような話をして、話を聞いた親にお金を振り込んでもらう、という手口です。

さて、ここで問題です。何故、振り込め詐欺で次々と沢山の人が被害に遭ったのか分かりますか?それは、それまでの従来の詐欺とは詐欺の方向性が違ったという事が大きいのです。従来型の詐欺に多かったのは、「この商品は、普段は100万円で販売しているけど、今だけお得で10万円なんです!」という商品販売系や、「貴方と結婚する為の費用に100万円必要なの」という結婚詐欺等、様々なものがありますが、あくまで被害者に何か利益や見返り等、「プラスになる情報」をチラつかせる、というものが殆どでした。

しかし、振り込め詐欺は全く逆で、息子のフリをした人が何かトラブルに遭い、お金を払わなければいけないという「マイナスの情報」を伝える詐欺なのです。日本人は普段から、なにか良い事が起きる事より、悪い事が起きる事を先に予想するものだと言われています。例えば、「貴方にこれから何かが起きます」と言われたら、「もしかしてラッキーな事が起こるのかな!?」と予想するより「何か怖い事に巻き込まれるのかな。不安だなぁ」と感じる人の方が多いですよね。

そのような心理状態にさせる事に加えて、もうひとつ重要なポイントがあります。人を騙す時に最も重要なテクニックとして、相手の感情をコントロールする事が挙げられます。相手の感情をコントロールするには、騙す人が魅力的であればあるほど、相手の同情を誘いやすくなるという法則があります。ですから、普通の詐欺なら、美人やイケメン、笑顔の絶えない人、誠実そうな人等が「騙し」を得意とするのですが、あくまで他人であれば、人によっては警戒されてしまいます。振り込め詐欺の場合、既に「親が愛している子供」のフリをするので、同情を誘いやすく、「息子のトラブルを、私が助けてあげなきゃ!」と簡単に思い込ませられるのです。

そもそも「息子の声は聞き間違えないわ!」と自信のある人もいらっしゃるかもしれませんが、そう思っていた人でも騙されてしまった、というケースがあります。また、「電話の声が息子そっくりだった」という証言もあります。ですから、事前にきちんと身構えていても、突然、実際にありそうなトラブルの話を聞いたらパニックになってしまうという事は珍しくありません。

特に、身近にすぐ相談する人がいない一人暮らしのお年寄り、事故等の対応に不慣れで、感情的になりやすく騙されやすい中年女性はターゲットにされやすい傾向があります。基本的に振り込め詐欺は、「自分だけでも対応できる」と考える事が最も危険です。もし振り込め詐欺のような電話が来たら、まずは知り合いや警察等、中立的な見方が出来る人にアドバイスをもらってから行動する事が大切です。