小さなキッカケがあれば断れない!?人が断りづらくなる心理とは

本当ならやりたくない事を、上手く断れなくなってしまう、という状況があります。相手が会社の上司や、やっかいな性格の同僚というように、頼んできた相手の立場や性格をふまえたら、断りづらかった…というパターンは多いですよね。そのようなパターン以外にも、実は「断りづらくなる心理状態にするテクニックがある」というのをご存知でしょうか?分かりやすく、「日常でよくある断れないシーン」の例を2つ交えながら、説明します。

まず1つ目。あなたは、とあるファッションショップのウィンドウを見かけた時、マネキンのコーディネートにときめいて、ちょっと商品を見てみようかなと思って、入店してみました。特に買い物をしようと思っていた訳ではないけれど、「この服は着られるかも?」とちょうど気になった服を眺めていると、店員さんが「ご試着してみてはいかがですか?」と声をかけてくれました。そこで、その服を試しに着てみるとあなたの体型にピッタリ。店員さんも「お似合いですよ」と褒めてくれるし、予定外の出費になってしまうけど、つい買ってしまった。

そして2つ目。昔から仲良くしていた友人が、トラブルに遭って、高額の借金を抱えてしまいました。そして「俺を助けると思って、100万円ほど、貸してくれないだろうか?」と、友人があなたに頭を下げてきました。でも、100万円はあなたにとって大金で、すぐに用意することもできないし、「無理です」と断ろうとしました。すると、「それなら、10万円でもいいから!」と言われて、それくらいなら何とかなるかもしれない…と思い、10万円を貸してしまった。

さて、本当は断りたいのに、断れなかったシーンの例を2つ紹介しましたが、身に覚えがある人は多いはず。身に覚えはなくとも、自分もこうなってしまいそう、と感じた人もいたのではないでしょうか?どちらも、人が断りづらくなってしまう心理が働いています。

1つ目の例は「人は一貫性のある行動をしたがる」という法則による心理状態です。人は、お願いに対して、一番最初は了承する事も拒否する事もできます。そして、お願いに対して嫌だと思ったら、最初から断るべき、と無意識に考えています。つまり、最初にお願いに対しては了承したのに、その後の追加のお願いで断るという、ちぐはぐな行動を避けたくなるのです。例の場合、「服の試着」自体は断る事もできたはずですから、「服を試着したのは、購入する時の確認の為」と無意識に考えてしまいます。ですから、「折角、体にピッタリである確認もできたのに、購入しないのはおかしい」と、一貫性を得たくなって「つい」買ってしまったのです。

2つ目の例は「他人から配慮してもらったら、こちらも配慮をして、応えてあげるべき」という社会的な心理状態です。相手のお願いを一度拒否したにも関わらず、相手がそのお願いの内容を譲歩してくれた場合、こちらも同じ様に譲歩するように行動する、つまり了承しよう…と考えてしまうのです。例の場合、最初から「10万円を貸してくれないか?」と言われたら、同じ様にお金を貸したでしょうか?「100万円じゃなくて、その1割の10万円でいいのか」と配慮してもらったからこそ、渋々了承してしまったと言えますよね。

これらの心理状態は、最初に無料サンプルをプレゼントしてから商品案内をすると、1回は製品版を使ってみようかな…とつい買ってしまう…という時や、見積もりに「高い」とクレームをつけたら何割か値引きしてもらえたので、お得な気がして了承してしまう…という時にも当てはまります。ですから、有能なセールスマンの人なら自然と心得ているテクニックです。